アンダーロココ唄語:恋人たち
2002年1月21日その街には、恋人が仲良く暮らしておりました。
少年の名前をキュロ、少女の名前をリマといい、
おたがいのことを、とてもとても愛しておりました。
キュロの愛は甘いお砂糖、
ときにヒトデのようにぴったりとして、
よりかかってもこわれない愛です。
けれど、リマの愛は鋭利なナイフ、
愛する人を傷つけ、その傷が愛されている証なのでした。
キュロはたくさんの数え切れない傷をかかえ、
したたる血をなめながら、幸せそうに微笑むのです。
するどいナイフは、キュロの身体を刻んで、
たくさん刻んで愛を伝えました。
キュロの赤い血が、だんだん失われてゆくのを見て、
リマは悲しくなってくるのでした。
ふたりの恋人は、とても愛し合っています。
けれどリマがそばにいることで、
キュロの命は短くなってゆくのです。
ついにキュロが真っ青になって倒れ、
意識を失ってしまった日に、
リマはその手を握り、涙を流しました。
光る涙がこぼれても、ナイフはキュロを狙っています。
リマは、ナイフに魔法をかけました。
ナイフを三日月にかざし、ちいさく呪文を唱えます。
三日月の光をきらきらとあびて、
愛するものを切り裂くナイフから、
憎むものを切り裂くナイフになりました。
憎むものを切り裂くナイフはまっさきに、
リマの胸を突き刺しました。
リマのあふれる赤い血は、
キュロの身体にしみこんでゆきます。
リマは氷の棺にかくれ、静かに息をひきとりました。
ようやく目覚めたキュロの目に、氷の棺は見えません。
キュロはリマを探します。
どこにも見つかるはずもなく、
けれどリマは死んでしまったのだと、
伝える人々の言葉も、信じることはできませんでした。
「だって今でもこの身体いっぱいに、
君のいのちを感じるのに!」
キュロはリマをさがすため、遠く、遠く旅に出ました。
それきり帰ってはきませんでした。
少年の名前をキュロ、少女の名前をリマといい、
おたがいのことを、とてもとても愛しておりました。
キュロの愛は甘いお砂糖、
ときにヒトデのようにぴったりとして、
よりかかってもこわれない愛です。
けれど、リマの愛は鋭利なナイフ、
愛する人を傷つけ、その傷が愛されている証なのでした。
キュロはたくさんの数え切れない傷をかかえ、
したたる血をなめながら、幸せそうに微笑むのです。
するどいナイフは、キュロの身体を刻んで、
たくさん刻んで愛を伝えました。
キュロの赤い血が、だんだん失われてゆくのを見て、
リマは悲しくなってくるのでした。
ふたりの恋人は、とても愛し合っています。
けれどリマがそばにいることで、
キュロの命は短くなってゆくのです。
ついにキュロが真っ青になって倒れ、
意識を失ってしまった日に、
リマはその手を握り、涙を流しました。
光る涙がこぼれても、ナイフはキュロを狙っています。
リマは、ナイフに魔法をかけました。
ナイフを三日月にかざし、ちいさく呪文を唱えます。
三日月の光をきらきらとあびて、
愛するものを切り裂くナイフから、
憎むものを切り裂くナイフになりました。
憎むものを切り裂くナイフはまっさきに、
リマの胸を突き刺しました。
リマのあふれる赤い血は、
キュロの身体にしみこんでゆきます。
リマは氷の棺にかくれ、静かに息をひきとりました。
ようやく目覚めたキュロの目に、氷の棺は見えません。
キュロはリマを探します。
どこにも見つかるはずもなく、
けれどリマは死んでしまったのだと、
伝える人々の言葉も、信じることはできませんでした。
「だって今でもこの身体いっぱいに、
君のいのちを感じるのに!」
キュロはリマをさがすため、遠く、遠く旅に出ました。
それきり帰ってはきませんでした。
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