気がつけば……。

2004年5月12日
また書き始めるとか言って全然書いてないですね……(汗)
詩はいろいろ気まぐれに出来ているんですが……。

ログがすごい状態になっていたのである程度整頓しました。
過去ログについては、いつかは(笑)同人誌にします。

迫り来る日

2004年3月8日
そろそろ ここにやってくる
誰にも告げられなかった罪の
代償とかいうものが

なにごともなかったかのように
また朝が来る
たった一夜のあいだに
ファイルがひとつ 消去されても

こんくりの上

2004年2月13日
嵐が来るよ

でもぼくたちは
なにごとも素知らぬふりをして
このまま歩いてみるんだ

たまには泣いたっていい
今なら誰も見ていない
そして空気は
とてつもなく乾いているから

コイコの本音

2004年2月12日
あなたに
要求することなんてなにもないわ
電話なんかいらない
メールだっていらない
愛の言葉なんかささやかれた日には
朝までひたすら笑ってしまうわ

あなたはただ身勝手で
アタシの機嫌なんかとろうとしないで
手なんかつながないでどんどん先を歩く
そうして
ふと思い出したように振り返って
アタシをキョロキョロ探してくれれば
アタシのココロなんか 簡単に奪えるのよ

ふとした人生の途中

2004年1月13日
昔は、
カラフルに描くのが好きだった。
いつしか、
薄青く塗りつぶすだけになって、
だんだん、
その色は濃くなっていった。
色というものがなんだったのか、
わからなくなるほど、
その色は濃くなっていった。
今、僕は、
カルキくさい水に筆をひたす。
ただそれだけで線を引き、
少し紙が歪んだけれど、
すべてが輝いて見えた僕も、
ただ自虐的に壊れていった僕も、
いつのまにか通りすぎて、
そうしてやっと、
なにもない場所にたどりついた。
いっそのこと、
涙が落ちればいいと思った。
けれどやはり、
コンタクトレンズをうるおすことはできなかった。
僕は透明な目薬をさして、
冷たい涙を流したあと、
古びたスケッチブックをかかえて扉を開け、
金曜日に放置した。
再生されるのだろうか。
あんなものでも。

*******************
>某さん(笑)
一応復活?しています。
また、せっぱつまってきたら休んでしまうかもしれませんが、
その際はまた、
高瀬唯子さん(笑)が日記でお知らせしてくれるでしょう。

マニュアル

2003年12月28日
熱心なメモは
もういいからさ
僕の顔を覚えてよ

静かな歌

2003年12月9日
とても 静かな歌だ
わたしの肌は
気がつけば爛れてしまった
拭えば消えるような埃も
放置したままでこびりついている
破れたストッキングのままで歩き続けている
わたしが立ち止まることはない

醜いとか綺麗だとかそういうことではなくて
わたしは
気がつけばこんなところまで来てしまった

とても 静かな歌が聞こえる
この歌の中に
幾千もの失われた記憶がある
その中に あなたはいた
思い出すことはない
どんなに求めても
わたしが思い出すことはない

悲しいとか愛しいとかそういうことではなくて
わたしは
気がつけば明日ばかり気にかけている

不幸とか 幸福とか
そういうことではなくて
その歌が聞こえていれば
息をつく間さえ わたしはいらない

欲求

2003年12月1日
スクリーンセーバーが立ちあがらなくて困っているんだ
僕はもうおなかがすいたのに
早く中華丼を食べたいのに
スクリーンセーバーが立ちあがらない
この世のすべてを隠してくれる
悪巧みのすべてをごまかしてくれる
そのむこうに
あまたの知能がひそんでいても
僕のいない いっときだけ隠してくれる
スクリーンセーバーが立ちあがらない
僕のおなかは鳴るばかり
僕は飢えていくばかり

無口な女

2003年11月28日
触れることができない
あなたはまるで
待ち合わせの目印のよう

遠吠え

2003年11月17日
どうか気づいてくれ
もう こんなにも走ってしまった
誰の手も届かないところへ
誰も気づかないところへ
荒野のむこうへ むこうへと駆けてゆく
それは見晴らしの悪い森の中かもしれないけれど
なにも見えない砂漠の真ん中かもしれないけれど
こんなに近くに感じていても
僕は 遠く 遠い場所へむかっているんだ
今ここで助けを呼んでも
誰にも声は聞こえないんだ
きみの中の僕は笑っているだろうか
きみの中の僕は振り返っているだろうか
けれど僕はここにいる
本当の僕は ただひたすら遠ざかっているんだ
戻るべきなのかもわからない
彷徨いつづけるべきなのかもわからない
ただ僕は 何も生み出さないこの肌に
ひとすじひとすじ 汚れた墨を彫り込んでいくんだ
綺麗な夕陽がもう見えない
どうか気づいてくれ
そして僕を
あるべき場所へと導いてくれ

遠い国

2003年9月14日
ここへおいで
きみが凍える理由はなにもない
きみが そこに残る理由はなにもない
どうか 戻って
ここまで戻っておいで

背中に突き刺さる刃が
きみの髪をなであげてゆく
痛みを受け入れたばかりの白い皮膚は
そのまま赤く焼かれてゆく
なにもないところまで
すぐさま 飛び込んでしまいそうな月が
きみの肩先を照らす
連れ去ろうとしているのか
誰にもわからないけれど

きみが 取り残される理由はなにもない
ひとが孤独だと感じるときは
かつて 孤独でないときを知っているから
甘い汁はけっしてきみをなぐさめやしない
優しさも 思いやりも いたわりも
きみの傷を癒すためのものではないが
すべてが 現実におとずれたもののすべてが
ただきみを導いてゆく

戻っておいで
あたたかい地面すらない世界を
ひとり歩かずに

集積所

2003年9月10日
きもちわるいよ。
あんたの地面が今にも割れそうなことくらい、
誰が見たってわかるんだよ。
僕たちは地下に居て、
あんたが高潔だと信じている道の、
無数のヒビを見上げているんだ。

コーヒーに虫が舞い込んだ。
いっぺん、その指ですくってみなよ。
ちいさな火傷なんか、
ここで闘うことを思えば、
なんでもないことなんだ。

僕たちは地下に居て、
あんたたちが嘲笑う地下に住んでいて、
あんたたちがなんにも知らないところで、
ずっと闘いつづけてきたんだ。

2003年8月21日
わたしたちは人にしかなれず
ほかのなににもなることはない
抱きつづけた願いが
羽をひろげる
とても綺麗な色で遠ざかる
それはまっ白で まぶしく
暗闇を忘れさせる

この歴史に意味などなく
無駄なこともなにひとつない
わたしたちは
ほんのささやかなもので生きている
容赦のない時間だけが流れてゆく

わたしたちは
ほんのささやかなものだけで生きていける
指先ににじんだ
一滴の赤い血だけでも

わたしたちはどこへもゆけない
わたしたちには 
この地面がある

鳥や虫たちに言葉は通じない
わたしたちは人にしかなれなくて

時間は容赦なくすぎてゆく
わたしたちはとどまるだろう
羽をひろげてゆく
その鳥を見送ったあとで

雨天

2003年7月11日
私に語れるものはない
この どこまでもつづいているような闇夜が
ふりそそいでいるから
やがてぽつぽつと雨は降り
私を どこまでも沈めてゆくから

私に語れるものはない
ただ 黙って見上げていても
この手に残るのは形なきもの
はるか昔に失ったものでさえない

廃棄物の山にうもれて
私は はだしで歩いてゆく
時にこの皮膚を傷つけ
赤い血を流す

たとえ痛みを感じても
私に語れることはない
静かな いっときの安らぎが
今は私を包んでいるから

遺産

2003年6月16日
どこか遠く 遠くへ行こう
待ちわびるほど弱くはない
すべて捨てられるほど強くはない
いつのまにか すごしている時間が
とても痛切なものを背負ってくることがある

どこか遠く 遠くへ行き
忘れたものを思い出すわけでもなく
ただ 見たこともない風景を
眺めて歩くんだ
長い歴史を刻んだような 建物に囲まれる
僕はどこまでも 見知らぬ世界へと浮遊する
適度に汚れた 石垣の道を抜けて

僕は巨大な歴史の
小さな小さな一部になり
そしていつか塵となり
語られる世界のかすかな影となり
この風景の一部となる
懐かしいんだ
この 景色のなにもかもが

僕は小さな洞窟にいた
帰らなければならないと 知ってはいるけれど
この 果てしなく続いているかのような無数の道を
僕は限界まで 歩いてみたいんだ
誰も僕を救う術を知らない
それは 僕だけが知っているんだ
ただ ひとつの方法を

通り雨

2003年5月2日
僕たちはどうしても
自分のことしか 考えられないんだ
どんなに思いやっても
どんなにいたわっても
どんなに愛したとしても
すべては
自分のことでしか ないんだ
誰かを思ってやることも
結局
相手に伝わらなければ
自分のことでしか ないんだ

だから ごめんね
僕にはきみが
なにをやっているのか わからない
僕のためだといいながら
きみは
愛されることを待っている
僕を喜ばせる人間として
僕の心を癒す人間として
満足できる日を待っている

だから 僕にとってきみは
通り雨のようでしかなくて
僕は きみが嫌いじゃないので
なにも返してあげられないのが
すこし 残念で

きっときみはいつか
僕を愛しているといいながら
いつになっても実らぬこの大地を見て
僕を
蔑むようになるのだろう
なにか適当に
世間が納得するような理由を見つけて

都会の喧騒

2003年4月22日
高層ビルが立ち並ぶ
その ど真ん中で
僕は小さな定食屋に足を運ぶ
サイレンの音が聞こえる
僕はいつものちゃんぽんを注文して
至福の時を待つ

サイレンの音が遠ざかり
また近付いてくる
僕は麺をすする
この コクのあるスープがたまらないんだ
たっぷり入った野菜も素晴らしい
サイレンの音がけたたましく重なり
すぐ近くでピタリと止まる

なんの文句もないこの一品
ただ
半月形のゆでたまごが
かたゆでなのが残念だが

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高瀬唯子さんの12日の日記から(笑)

静かな告白

2003年4月17日
雨の中で僕は
目の前がなにも見えないくらい
恐怖にとりつかれていた昨日のことを考える
無抵抗の僕にできることはせめて
頭を抱えて唇を噛むことくらいで
けれど噛み切る勇気はなくて
それでも明日に頼ってしまうのが情けなく
じわりときていた涙をぬぐい
遅刻の理由を作るのにせいいっぱいで
ただ その堪え難い時をやりすごした
どうしてと思うほど
なんでもない小さなことで

あると信じていたものはその瞬間に失われ
ないと思っていたものはそこにある
なんだか笑えるくらいの不思議な日々を
僕は どこまで歩んでゆけるだろう
コーヒーを入れて窓の外を眺める
そんな一日が訪れるまで
僕は
きっと立ち止まることはない

開花の小道

2003年3月31日
キャリー あたしは
すこしだけ疲れたわ
だって人込みにもまれて
先がまるで見えないの
この先はゆきどまりかもしれないし
魚が泳いでいるのかもしれないわ
地平線がどこまでものびて
ひょっとしたらこの地上を
一周しているのかもしれないけど

悲しき病

2003年3月21日
こんなにも君は
美しさであふれているのに
なぜ
その鏡を壊すのか

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